長野公園新聞 2017夏号(長野公園新聞記事内容ご紹介)


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長野公園新聞 2017夏号(長野公園新聞記事内容ご紹介)

  • 2017年11月 9日(木) 00:00 JST

※記事の内容は2017年夏のものです。

ゴールデンウィークが過ぎ、初夏の陽気が漂う季節に。夜間はまだ涼しいものの日中は汗ばむ日も多くなってきました。梅雨入りまであと少しですね。梅雨の季節は雨が続き、気も滅入りますが、雨も必要で空梅雨は農家の人が困ります。

さて、この季節の楽しみの一つが紫陽花(アジサイ)です。当公園では園内各地区に咲いていますが、アジサイといえば奥河内あじさい公園(河合寺地区)が有名です。梅雨の晴れ間にはカメラやスケッチブック持参で撮影や写生も楽しんでいただけます。緑が映えるあじさい園で迫力あるアジサイの色変化を堪能してみてはいかがでしょうか。

そして、梅雨が終われば夏本番。暑さで外に出るのは億劫になりますが、最近運動不足を感じられる方には山歩きがおすすめです。山歩きにもってこいなのが奥河内楠公の郷(丸山地区)。「葛の口」のバス停から緑に囲まれた園路を登ってアカマツの林を抜けるとサクラとモミジに囲まれた展望台が見えてきます。展望台からの眺望は良く、緑が拡がる富田林丘陵をはじめ大阪湾など一円が見渡せるほか、澄んでいれば淡路島なども見ることができます。また、奥河内天野キャンプの森(天野山地区)ではキャンプのほか、針葉樹や照葉樹に覆われた園路では森林浴をはじめ、バードウオッチングなども楽しめます。展望台周辺ではひょっとしたらムササビにも出会えるかもしれません。地区によって様々な楽しみ方のある長野公園。この夏もお出かけがてらに足を運んで見てください。

長野公園新聞 2017夏号

河合寺地区のあじさい園

長野公園新聞 2017夏号

森林浴が楽しめる天野山

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丸山地区の展望台

長野公園新聞 2017夏号

長野公園のムササビ

長野公園で見られる生き物

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ヤマカガシ Rhabdophis tigrinus

全長60~150cmのナミヘビ類。国内では本州・四国・九州と離島の一部にかけて分布し、平地から山地の水田や河川などに生息する。水辺付近でよく見られるヘビ。全体的に黒色で腹側が黄色味を帯び、赤色の斑紋が点在するのが特徴だが、色彩には個体差が多い。肉食性で主にカエルやオタマジャクシを捕食し、魚も捕らえる。マムシと並んで日本では数少ない毒ヘビで、毒腺とつながる牙が口の奥にある。

また、首の付け根にも毒腺があり、毒液を出すこともできる。基本的におとなしい性格だが、毒が非常に強いため注意が必要。一方、近年は生息環境の悪化や餌となるカエル類の減少によって見られる地域が少なくなっており、大阪府のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されている。長野公園では全地区で生息を確認し、園内では4月から10月頃まで見ることができる。写真は奥河内もみじ公園(延命寺地区)で発見した個体でカエルを食べている姿をよく見かける。

 

長野公園で夏の昆虫探し!!

いよいよ夏本番。そして、夏といえば昆虫採集。昔から子どもたちにとっての夏休みの定番なのはやはり昆虫採集ではなかったでしょうか。しかしながら、残念なことに最近は虫網を持って昆虫を追いかけている子どもたちを見ることが少なくなっているような気がします。そしてここ長野公園では年間を通してたくさんの昆虫を見ることができます。

夏の虫の代表といえばカブトムシ。長野公園内では各地区で見られますが、なぜかトイレ周辺に落ちていることが多いです。カブトムシを見たい方は朝早くトイレ周辺を見回ってはいかがでしょうか。カブトムシが見ることが多い気もしますが、ノコギリクワガタをはじめクワガタも数種類見ることができます。日差しの暑い炎天下の中、虫を探していると木の上の方をキラキラと輝く虫が飛んでいることを目にすることがあります。ヤマトタマムシです。赤と緑のメタリックに輝く姿はまさに生きた宝石のよう。他にも大きさこそ小さいですが、タマムシの仲間を何種か見ることができます。それぞれ色が異なっているので探してみてください。時期は少しさかのぼりますが、6~7月にかけての夜間にはゲンジボタルをたまに見ることができます。長野公園内では発生していませんが、近くの川などから飛んでくる個体が多いみたいです。期間中いつも見られるとは限りませんが、夜に光っているホタルの姿を見ることができたらラッキーかもしれません。

長野公園で見られる昆虫は紹介すればキリがないほどですが、私でも何種いるかわかりません。皆さんもぜひこの夏休みに長野公園で虫探しをしてみてください。

長野公園新聞 2017夏号

カブトムシ

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ノコギリクワガタ

長野公園新聞 2017夏号

ヤマトタマムシ

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ゲンジボタル

 

長野公園の竹と竹の活用

園内に鬱蒼と生い茂る竹(タケ)。車で山道沿いを走っていると竹林が増えてきてどこかしこも竹だらけということも珍しくありません。タケはイネ科タケ亜科の植物に分類されており、節が固く材として利用されていることから一般的に木本とされることが多いですが、草本の特徴も併せ持っているため草本か木本かどっちかわからない不思議な植物です。

長野公園内も例にもれず、園内全域で見られるほか、竹林に隣接している箇所も少なくありません。園内ではモウソウチクPhyllostachys heterocyclaとマダケP. bambusoidesの2種が主に群落を作っています。モウソウチクは中国原産で非常に大きく伸びる日本最大のタケであり、節の間隔が狭くて太く、節の輪が1本なのが特徴です。一方、マダケは中国原産とも日本原産ともいわれている細い感じのするタケで、節の間隔が長くて細く、節の輪が2本なのが特徴です。いずれも各地で拡がっており、周辺環境や生態系への影響が懸念されています。ここ長野公園でも園路にはみ出してきたり、大きくなりすぎて景観の妨げになるなどの影響を出ています。そうなると問題となるのがタケの処理。伐採するのは簡単ですが、その後処理が結構面倒です。ほかの植物と比べて朽ちるのが遅く、伐採後放置しても邪魔になるだけなので利用して使い切ってしまうことが重要です。幸いにも竹は古くから日用品や工芸品などの素材として利用されてきたので用途には事欠きません。長野公園ではこうした伐採竹を使って園路の土留めやテントの骨組みに利用したり、水鉄砲や竹馬など懐かしの玩具を作ってイベントに活用しています。他にも様々な用途として利用可能なので今後も試行錯誤しながら園内の竹を有効活用していきたいと思います。

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各地に拡がるタケ群落

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モウソウチク

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タケで作ったパオ風のテント

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マダケ