長野公園新聞 2018夏号(長野公園新聞記事内容ご紹介)


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長野公園新聞 2018夏号(長野公園新聞記事内容ご紹介)

  • 2018年6月28日(木) 14:00 JST

季節は初夏といってもいよいよ夏本番。でもその前に蒸し蒸しした恒例の梅雨がやってきます。今年は初春から気温の高い日が多く、季節外れの暖かさもあってこれから迎える夏本番の暑さが少し心配ですね。

長野公園新聞 2018夏号
長野公園新聞 2018夏号
長野公園新聞 2018夏号

さて、梅雨の時期といえばやはりアジサイですよね。ここ長野公園では毎年6月上旬から7月上旬にかけて奥河内あじさい公園(河合寺地区)見頃を迎えますが、今年は暖かさの影響で開花が早く5月下旬に開花を確認しました。そして、河合寺のアジサイといえばそのボリューム。ホンアジサイとガクアジサイを合わせ、約2500株以上が緑豊かな園内に彩りを与えてくれます。特にあじさい園での迫るような高めのアジサイは迫力があります。また、管理事務所があり、春のサクラで有名な奥河内さくら公園(長野地区)にもアジサイがあり、ここではホンアジサイとガクアジサイのほか、ヒメアジサイやセイヨウアジサイなど数種類のアジサイを楽しむことができます。気になるのが梅雨時分のお天気ですが、大雨でなければ雨の日でも十分散策可能ですので、外へ出るのが億劫なこの時期、お散歩がてらに傘を片手にあじさい観賞へぜひお越しください。

初夏の長野公園で見られる植物

長野公園新聞 2018夏号

ササユリ
奥河内あじさい公園など

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ホタルブクロ
奥河内さくら公園など

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ユキノシタ
奥河内もみじ公園など

長野公園で見られる生き物

長野公園新聞 2018夏号

ヤマトタマムシ Chrysochroa fulgidissima

大きさ3~4cm前後のタマムシ科に属するコウチュウ類。本州・四国・九州に分布し、平地から山地の森林などに生息するほか、植樹のある公園などでも見られる。全体的に金属光沢のある緑色の楕円形で、胸部から前翅にかけて紅い縦筋模様が入るのが特徴。食性は成虫・幼虫ともに草食で、成虫はエノキやケヤキなどの葉を食べ、幼虫もそれらの朽ち木を食べて育つ。幼虫は生木に侵入して樹木を傷つけたり、枯らすこともあるため害虫として扱われることもある。成虫は時折大発生し、エノキやケヤキなど植樹となる広葉樹の樹冠付近を集団で飛翔することもある。一見虹色に輝くしてその美しい色彩からかつては装飾品の材料としても利用されており、国宝にもなっている「玉虫厨子」が有名。海外産のタマムシの仲間ではお土産としてブローチにされていることもある。

長野公園では全地区で生息を確認している。写真は奥河内さくら公園(長野地区)の管理事務所前のベンチに飛来した個体。

 

長野公園で見られるカエルたち

冒頭でも紹介しましたが、これからしばらく梅雨の季節で雨の降る日が続きます。雨の日は傘をさしてまで遠出するのが面倒だったりして、あまり出かける気分にはなれませんよね。そんな方に生き物好きの私から雨の日の楽しみ方を一つご紹介。

皆さんはカエルの鳴き声を聞いたことがありますか?「ゲコゲコ・・・」「ケロケロ・・・」などよく童謡や物語ではそう紹介されているカエルの鳴き声。でも、実際はそんな感じではなく、鳴き声も多種多様で時折びっくりするような変わった声を聴かせてくれることがあります。今回はそんなカエルたちの生態について簡単にご紹介するとともに長野公園に生息するカエルたちを紹介したいと思います。カエルは無尾目というグループに属している両生類の総称です。イモリやサンショウウオの仲間と同じですが、目名通り、幼体のオタマジャクシには尾はありますが、成体のカエルには尾がありません。カエルの仲間は後ろ脚が発達している種類が多く、移動したり逃げたりするときはジャンプを駆使します。また、身体が非常に柔らかく常に皮膚が湿っていないと弱ってしまう種類が多いです。一方、カエルの幼体であるオタマジャクシは脚がなく、えら呼吸を行い、魚のように主に水中で生活します(例外もいます)。成長すると徐々に脚が生え尾もなくなり、やがて陸に上がって肺呼吸に変わります。成体となったカエルは陸地で餌を捕りながらオタマジャクシが生息しやすいように水辺で繁殖を行い、主に水中で産卵します。成長過程に応じて陸地と水辺ともに行き来するカエルはまさに両生類の代表ともいえます。そして、カエルといえばその鳴き声もまた有名です。カエルが鳴くのはオスであり、鳴嚢と呼ばれる皮膚の一部を膨らませて鳴き声を出します(ほとんど鳴かない種もいます)。この鳴き声は種類によって多様で雌への求愛や敵への威嚇など用途も様々です。さて、以上カエルについて簡単に紹介しましたが、次はここ長野公園で見られるカエルをご紹介します。長野公園で現在までに生息が確認できているカエルは全部で11種。ため池などの水辺がほとんどない公園にしては非常に多くのカエルが生息していると言えます。園内で最もよく見られるのがシュレーゲルアオガエルとニホンアマガエル。ともに緑色をしたカエルで、とても愛嬌のある顔をしています。前者はふつう田んぼやため池周辺で見られますが、延命寺地区の蓮池を除いてほとんど水辺のない長野公園ではなぜか全地区でその姿を見ることができ、鳴き声をよく耳にします。一方、後者は街中でもふつうに見れるカエルの代表で日本では最もポピュラーな種です。前者と似ていますが、本種は色彩の変異が多々あり、茶色や灰色、青色などの個体もいます。またこちらはほとんど陸で暮らし、コンビニの窓ガラスや自販機に吸盤でくっついている姿を見かけることも少なくありません。あと、本種には皮膚に強い毒があるのも特徴で触ったときは手をしっかり洗うことが重要です。次にトノサマガエル。かつては田んぼを中心に広く、見ることができましたが、近年は環境の悪化で急速に数を減らしつつあります。当公園ではまだ姿は見かけますが、年々減ってきているように感じます。続いてよく似たヌマガエルとツチガエル。ヌマガエルは水辺を中心に比較的ふつうに見れますが、ツチガエルはトノサマガエル同様に近年減りつつあるカエルです。ほかに変わったカエルとしては大きなニホンヒキガエルや鳴き声が地面から聞こえるようなタゴガエル、さらに希少な里山のカエル・ニホンアカガエルやヤマアカガエル、清流にすむカジカガエルもなぜかたまに見かけることがあります。一方で近年は外来種のウシガエルも見かけることも多々あり、園内に生息する在来カエルの天敵にならないか心配することもあります。このように多くのカエルが生息する長野公園で雨の日の楽しみの一つとしてカエルの鳴き声に耳を傾けてみるのも悪くないかもしれません。

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図1.シュレーゲルアオガエル
鳴き声「コロロ、コロロ・・・」

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図2.ニホンアマガエル
鳴き声「クワッ、クワッ・・・」

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図3.トノサマガエル
鳴き声「グルル、グルル・・・」

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図4.ヌマガエル
鳴き声「キャウ、キャウ・・・」

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図5.ニホンヒキガエル
鳴き声「クックッ・・・」ほとんど鳴かない

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図6.ヤマアカガエル
鳴き声「キャララ、キャララ・・・」

 

~気を付けよう!!身近に迫る外来植物~

美しい草花をつける植物ですが、中には植えてはならない注意が必要な種類もあります。今回は園内にはないですが、長野公園近辺で見られる外来植物2種についてご紹介します。これら2種は特定外来生物に指定されており、栽培(植えたり)、生きたままの移動が禁止されています。違反すると懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金に処されるので注意しましょう。

長野公園新聞 2018夏号
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オオキンケイギク Coreopsis lanceolate
北アメリカ原産でかつて日本では法面緑化の植物として利用された。道路や線路沿い、畑の畝などに生え、山地など自然度の高い場所にも適応して生育する。葉は細長いへら状で白い毛が密に生え、黄色く大きい花を咲かせる。踏圧・刈り取りに非常に強く、繁殖力も旺盛。放置しておくと一面オオキンケイギクだらけになるため在来植物に大きな影響を与える。

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ナルトサワギク Senecio madagascariensis
マダガスカル原産でかつて日本では鳴門市で初めて発見されたことに和名が由来する。大きな株立ちとなり、黄色く小さい花を多数咲かせる。空地や川岸、埋め立て地など日当たりの良い場所に生育し、ときに大群落を作る。在来植物との競合のほか、有毒のアルカロイドを含むため、家畜などにも影響がある。