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夏号の記事

2023年7月1日発行

• 長野公園 河合寺地区
  奥河内の三大名刹の一つ河合寺と、あじさいの名所として知られる長野公園 奥河内あじさい公園を詳しく紹介。
• シリーズ「長野公園ものがたり」Part2
  「高野鉄道第一の遊園地」として「長野遊園地」を開園させた背景にあった鉄道事業の苦悩とは。
• 特集：延命寺蓮池の千重紅
  延命寺の蓮池の千重紅は、鷹司准后家御園池の紅蓮13品目中に記載される希少種。絢爛華麗な美しさに迫る。
• 7月～9月のイベント
  長野公園の初夏から盛夏のイベントを一挙にご紹介。

 

奥河内あじさい公園（河合寺地区）

1. 概要
   国道310号線から坂道になった園路を登ると左手に「あじさい園」、右手にソメイヨシノに囲まれた「芝生広場 」があります。
   さらに登ると、右手に河合寺本堂と、満開の桜ごしに金剛・和泉・葛城の山々が見渡せる眺望の良い「桜広場」があります。
   そこから約500mの丘陵樹林地の中を歩くと展望台に到着します。
   春のサクラに続き、 夏のアジサイ、 秋のモミジと季節に応 じた美しさが楽しめる地区です。
    
2. 主な施設
   ・あじさい園
   ・休憩所（2か所）
   ・展望台
   ・トイレ
    
3. アクセス
   ・南海高野線 河内長野駅
   ・近鉄長野線 河内長野駅
   いずれも南東約1km
   ・南海バス 河合寺停留所すぐ
   長野公園には駐車場はありません。
   ご来園は、電車・バスでお越しください。

神秘的な力を持った女帝と河合寺

文・濱田将司

創建の伝説

河合寺の創建年は（伝）皇極天皇2年（643年）で、開基 （伝）蘇我入鹿とされています。
河合寺縁起によれば、当時、この地の山々に五彩の雲が毎日の様に棚曳き、皇極天皇の命により蘇我入鹿が調査すると、光が差している松の大木から千手観音菩薩の像があらわれたといいます。驚いた天皇の命により皇極天皇2年（643年）、蘇我入鹿が当寺を創建したといわれています。

神秘的な力を持った女帝　皇極天皇

この伝説に巫女（シャーマン）的要素が感じられますが、日本書紀の皇極紀元年条には、皇極天皇が雨乞いをしたという次のような記事があります。
”六月乙酉の朔に、微雨ふる。是月大きに旱る。秋七月（中略）。戌寅。群臣相語りて曰はく、「村々の祝部の所教の随に、或いは頻りに市を移す。或いは河伯を禱る。既に所効無し」といふ。蘇我の大臣報へて曰はく、「寺々にして大乗経典を転読みたてまつるべし。悔過すること仏の説きたまふ所の如くして、敬びて雨を祈はむ」といふ。
庚辰。大寺の南の庭にして、仏菩薩の像と四天王の像を厳ひて、衆僧を屈請して大雲教などを読ましむ。時に、蘇我大臣、手に香炉を執りて、香を焼きて願を発す。辛巳。微雨ふる。壬午、雨を乞ふこと能わず。故、経を読むことを停む。八月甲申の朔。
天皇、南淵の河上に幸して、跪きて四方を拝む。天を仰ぎて祈ひたまふ。即ち雷なりて大雨ふる。遂に雨ふること五日。溥く天下を潤す。”

河合寺の創建と日本書紀の皇極紀 元年条の記事には、皇極天皇の神秘的力が感じられます。

皇極期の火山活動とその後の政変

記紀には、火山現象ではと思われる記述があり。
河合寺の創建伝説とあながち無関係では、ないかも知れません。
記述によると皇極天皇元年（642年）10月に大きな地震が4回、10月～12月には雷声が20回。異常な暖気が4回起きています。
皇極天皇2年には、満天が五色の雲に覆われ, 地上には青い霧が周囲一面に立ち込めたとあり、河合寺創建伝説とつながります。その後も様々な現象が相次ぎ、山背大兄王の自殺。そして河合寺創建伝説の2年後の皇極天皇4年（645年）に、中大兄皇子・中臣鎌足らが蘇我入鹿を宮中で暗殺して蘇我本宗家は滅亡しました。後に、中大兄皇子は体制を刷新して大化の改新と呼ばれる改革を断行しました。

長野公園と河合寺

明治44年（1911年）に出版された「高野登山鐡道沿線案内」には、河合寺のことが、次のように書かれています。
”寶珠峯山河合寺　長野遊園の隣地にあり、境內總てを東遊園地と稱す”と書かれており、河合寺が昔も今も長野公園とともに歩んで来たことがうかがえます。

長野公園ものがたり Part.2

文・濱田将司

国土交通省「日本鉄道史」によれば、明治20年代に私設鉄道ブームが訪れ、明治23年には、官設鉄道の延長キロ886kmに対し、私設鉄道の延長キロは1,366kmにも達し、官設鉄道の延長キロを超えるまでに成長しました。

明治29年になると高野鉄道株式会社が設立され、明治31年（1898年）に長野まで延伸しますが経営は思わしくなく、日清戦争後の不況で業績は好転しませんでした。そして高野登山鉄道が事業を継承して、路線延長が図られることになります。経営面で問題を抱えながらの再出発でした。『日本鉄道史巻』に当時の様子が記載されています。「開業以来収支償ハズ、三十五年度ニ至リ収支均衡ヲ得シモ益金寡少ニシテ優先株ニ対シ若干ノ配当ヲ為シタルニ止マリ普通株ニ配当スルニ至ラズ（後略）と、初期投資の大きい鉄道事業の苦悩がうかがえます。

長野遊園地の開設も、大阪市や堺市、その他の地域からの「河内長野」方面への旅客誘引策のひとつでした。高野登山鐵道の働きかけに地域住民も協力し、明治41年に「長野遊園地期成同盟会」を組織します。

長野遊園地期成同盟会は「長野遊園保勝会」に名称変更され、高野登山鉄道との共同出資によって圏内に桜、楓などを植樹し鐵道、当時「高野鉄道第一の遊園地」として「長野遊園地」が開園されました。

開園間もない遊園地に行楽客を集める当時のマーケティング活動が「近現代における地域交通の展開」
～南海高野線の存続と河内長野を関わらせて～
井田泰人著に紹介されているので引用します。

“終点の長野までは人が乗らぬので何んとかしなければならぬといふので長野遊園地を掠えて乗客の吸収につとめられた。その頃香櫨圃が下た火になってゐるのでそんなものをとしらえても駄目だと云はれてゐたが、何れにしても終点の長野ヘ客を降ろさねば会社の収益はあ”がらないと思ったので兎に角、天野山や観心寺を呼び物にして客をひき、長野には長者の瀧を、観心寺には紅葉の瀧をつくられ、大阪の人は景品を出すとうんと人気が集まるので、夏などには長野石手川で鯉つかみを催し、その鯉の鰭に番号札をつけて、それで箪笥や時計などの景品が当るかと思へば、石手川に赤く塗った盟を涜れに浮かべて盟遊びをさせたり、遊園地の高所に長い望遠鏡を据置き、鯖麗な女をそれにつけて置いて客の心を明るくさせたり、余興として楠公父子の別を演じさせたり、園内で景品付きの松茸狩を催したり、終点を只管遊覧地帯としての紹介につとめられた。今日で見れば別に珍しい催物でもないが、当時鉄道がかかる催物をして客を引くといふととは権威上問題になろうといふ時代に、人の意表に出ねば決して斯うした経営難の鉄道の繁栄をみることは不可能であると深くも覚悟をして、狭山、滝谷附近、天野山方面に非常に松茸が沢山由るのを幸ひ、沿線を充分に知って貰ひたいために、思ひ切って奇抜な新聞広告を出して問題まで惹起したことが近現代における地域交通の展開あったさうである。また、河内長野には温泉が多いが、同社が開設に関わったものもあり、それに合わせて旅館を建てるなどの付帯事業を展開していった。

続く

延命寺蓮池の～千重紅～

絢爛華麗な美しさ

延命寺の蓮池のハスは、「千重紅」という品種です。
千重紅は、その名のとおりの千重咲きの花ハスで、絢爛華麗な美しさが素晴らしい花ハスです。

大きさは、ハスの中でも中くらいで、花の色はこちらも名前のとおりの紅色です。鷹司准后家 御園池の紅蓮13品目中に記載されている希少種です。

蓮池の中から真直ぐに茎が伸びて花を咲かせる姿は、神秘的とも言える美しさで人々を魅了してきました。

1 鷹司家は藤原氏五摂家のひとつで関白や太政大臣などの任に就く家柄

美しさのわけは？

蓮が泥の中でも美しく咲く理由には、いくつかの理由が挙げられます。

1. 蓮は、根を泥の中に張り巡らせ、そこから栄養を吸収して成長します。このため、泥の中に生えた蓮は、強い生命力と抵抗力を持っており、環境に適応して生き残ることができます。
2. 蓮は、泥の中で水を浄化する重要な役割を果たしています。このため、泥の中で繁殖するバクテリアや微生物などが、蓮の根や葉に付着してしまうことがありますが、蓮は自己防衛のために、強い抗菌力を持っています。これにより、蓮は周囲の環境を浄化し、美しい花を咲かせることができます。
3. 蓮の花は、日本や中国などの文化において、潔白や純潔の象徴とされてきました。泥の中にあっても美しい花を咲かせる蓮は、精神的にも大変貴重な存在とされ、多くの人々の賞賛を受けてきました。

7月～9月の長野公園のイベント

長野公園のイベントのお問合せ
TEL：0721-62-2772　 9時～17時

• 7月7日（金）～8月6日（日）風鈴まつり～風に舞うシャボン玉を添えて～
  蒸し暑い夏に、涼し気な雰囲気をお届けします♪
  夏風に揺られて涼やかな音色を奏でる様子をお楽しみください。
  
  場所：長野公園(長野地区）
  時間：期間中いつでも
  参加費：無料
  期間中の6月3日（土）、6月4日（日）、6月25日（日）の16時～バブルマシンを使って大量のシャボン玉を飛ばします！

  

• 7月17日（日）Family Nature Program～石川上流での魚とり～
  ①お魚のとり方のレクチャー②川に入ってみよう♪ ③魚とりをやってみよう ④捕まえた生きものを調べてみよう
  とれるかもしれない生きもの! エビ・オイカワ・フナ・カマツカ ドジョウ、カワムツ、アユ
  
  集合場所：長野公園管理事務所
  時間：09:30～11:30
  参加費：無料
  定員：15人（小学生以上）小学2年までは保護者同伴

  

• 7月30日（日）昔あそび～大シャボン玉大会～
  シャボン玉おじさん（公園スタッフ）が、大きなシャボン玉を作ります。こどもたちもでっかいシャボン玉をつくろう！
  ぬれてもいい服を着て、タオルを持ってきて下さい。（シャボン玉の液や道具は、公園で用意します。）
  ※雨や風の強いときは中止です。
  
  集合場所：長野公園管理事務所
  時間：10:00～12:00
  参加費：無料
  定員：先着50人ほど

  

• 8月6日（日）昔遊び～ミニ・ミニ縁日～
  ヨーヨー釣り」「あてもん」等の縁日を準備して、楽しいひいひと時を過ごして頂く。
  大人も童心に帰って楽しんでください。
  
  場所：長野公園管理事務所横のスペース
  時間：10:00～12:00
  参加費：無料
  定員：先着20人

  

• 9月10日（日）メスティンで楽しむアウトドア料理！
  メスティン使ったアウトドア調理体験。
  メスティンメニュー例：ジャーマンポテト、パンケーキ等
  メスティンは公園で準備します。
  
  場所：長野公園 天野山キャンプ場
  時間：10:00～13:00
  参加費：お一組 1,000円
  定員：10組（25人くらい）
  持ち物：調理してみたいお好きな食材

  

ゆめものがたり

あなたに会える日が来た。
わたしのドキドキ聞こえてる？
あなたと話せる時が来た。
わたしのワクワク伝わってる？
あなたの笑顔を見つけた。
わたしのニコニコ見えたかな？
あなたは今年も満開です。
わたしはとても幸せです。
晴れた日も良いけれど
雨の日はもっと好き。
つの出せ、やり出せ、
めだま出せ。

まゆみ

長野公園の風鈴まつり 7/7〜8/6まで

 

2023年 最初の府営公園が開園して150周年を迎えます。