長野公園新聞 2016冬号(長野公園新聞記事内容ご紹介)


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長野公園新聞 2016冬号(長野公園新聞記事内容ご紹介)

  • 2017年11月 8日(水) 12:00 JST

※記事の内容は2016年冬のものです。

もうすぐ、冬至。今年は秋になると寒くなると思いきや・・・そうではなく、11月の上旬まで暑さが続き、その後急に冷え込む日が多くなりました。そのためなのか青々していたモミジが急に色づいてすぐに散ってしまうところもありました。

さて、冬といえば春や夏、秋と比べるとつい暗いイメージに。長野公園でも春はサクラ、初夏のアジサイ、秋のモミジが名所となり賑わいを見せていますが、冬は目立った樹木がなく、少しもの寂しい季節でもあります。

そんな冬のおすすめはズバリ生き物探し。この秋号内でも後述していますが、当長野公園はいずれの地区も豊かな自然に囲まれており、手つかずの自然が残る場所もあるなど生き物を探すには絶好の公園です。寒い冬は生き物が動かないイメージがありますが、生き物たちはたえず様々な場所で生息しており、冬にしか姿を現さない生き物もいます。昆虫では日本の国蝶オオムラサキが落ち葉に隠れていたり、冬に現れるフユシャクのようなガの仲間もいます。鳥では北の地方から越冬にやってくる冬鳥たちが賑わいを見せます。葉が落ちるこの季節、普段は隠れて見えない鳥たちも見え、バードウォッチングには最適です。

この冬はぜひ図鑑を片手に生き物を探しながら園内を散策されてみてはいかがでしょうか。

長野公園新聞 2016冬号

落ち葉の下にいたオオムラサキの幼虫

長野公園新聞 2016冬号

園内でよく見られるジョウビタキ

長野公園で見られる生き物

長野公園新聞 2016冬号
長野公園新聞 2016冬号

ルリビタキ Tarsiger cyanurus

全長14cmの前後のヒタキ科の小鳥。国内では本州から九州にかけて分布し、一部で繁殖し、冬季は冬鳥として本州以南に広く飛来する。山地の森林に生息し、うす暗い林縁部でよく見られる。オスは上面が広くきれいな青色で脇から胸にかけてオレンジ色を帯びる。一方、メスは上面がオリーブ色を帯びた茶褐色で尾羽は青色。肉食性で小さな昆虫を捕食する。『ヒッヒッ・・・カカッ』と地鳴きする。

長野公園では冬鳥として全地区で生息を確認しており、園内では12~3月にかけて見ることができる。写真は奥河内もみじ公園(延命寺地区)で撮影した本種のオス(左)とメス(右)。

 

活動紹介

長野公園内に設置している小鳥の巣箱の設置や清掃でご協力いただいている『河内長野野鳥の会』の福岡賢造に長野公園における巣箱設置の取り組みについて書いていただきましたのでご紹介いたします。

カラ類用巣箱設置について

河内長野野鳥の会発足から10年余り経過後、皆さん方の発案で巣箱を付けてみようとの意見が有り、会員の方からスギ板10mmを購入して会員全員で作ったのか、子供達に来て頂いて制作したのかは思い出せないのですが、1983年から1991年にかけて、河内長野公園や河内長野公園丸山地区にカラ類の巣箱を、初年度は50個余りを設置し、観察会やその利用数等を調べた事が有りました。当時の会報から思い起こして 材料の木材は、会員の方のから購入させて頂き、制作は会員の方々で作ったのだったか、子ども達に来て頂いて作ったのか、思い出せないのですが、下記の様に設置していました。最初は何処にどの様な方向で付ければ良いのか、高さ等は日本鳥類保護連盟の本を参考にさせて頂きましたが、どの様な場所に、どの方向で付けるのかは相当試行錯誤しましたが、長野公園の担当の方にもお願いを致し、当公園に37個、丸山地区に33個付けさせて頂きました。

先ず長野公園では主にサクラ、クヌギ、アラカシ等に、丸山地区では、同様サクラ、クヌギに時には鬱蒼と茂ったアラカシ、ソヨゴの木にも取り付けその利用率等を翌年に調べさせて頂き、又毎年冬期には総ての巣箱の清掃をさせて頂いていました。

約9年間経過で、利用する小鳥はシジュウカラとヤマガラでした。設置するに辺り一番利用してくれる方向は、巣箱の周辺に小枝や木がない事、巣箱前が広く開けていて、安全が確認出来る事です。初期は判らないものですから、小枝伝いに巣箱に来るのかと思っていましたが、そうではありませんでした。長野公園では広場に面した方向に取り付けたのが、一番利用率が良かった様に思います。丸山地区では、山頂に向かって登って行く林道に向けた所や、山頂近くの展望台周辺の桜の木に取り付けた周辺では、丁度繁殖期とお花見の時期が重なる事も有るのですが、巣箱下では、人々がワイワイ、ガヤガヤしていても平気と言うよりは、その方が繁殖中の小鳥達にとっては好都合なのかもしれません。

当公園では、マメ柿が数個入っていた年や、おおきな柿が1個は入っていた年もありました。多分カラスが遊び心で入れたものだと思っています。

スギ板では、せいぜい3年程で傷んでしまいますので、その後はヒノキ12mmの板に変更しましたので、5年ほどは継続して使用する事が出来ました。

3~4年前から巣箱を付けさせて頂いている長野高校でも同様に校舎北側の運動広場の南隅に付けている所では、絶えず学生さん方が多く集まっている付近ですが、毎年利用してくれています。結局の所は、人が巣箱周辺でウロウロしてくれる方が、返ってヘビやカラス、時には人等の外敵から守ってくれている為、安全にヒナを育てる事が出来るらしいのです。会員の方で、どうしても庭木に取り付ける所がない御家では、一階から二階に取り付けられた6cm程の雨どいに下屋根から1.2m程の所に付けて頂いているのですが、そこでも毎年利用しています。

結論としては出来るだけ外敵に狙われない所で、巣箱の全面が開けている所が良いようで鬱蒼と茂ったソヨゴ、アラカシでは、全く利用されませんでした。

カラ類用巣箱設置について
※クリックして拡大表示

河内長野野鳥の会 福岡賢造

 

長野公園で冬の生き物を探してみよう!!

表紙でも紹介しました長野公園の冬の楽しみ方の一つ『生き物探し』について園内で冬に見られる生き物について少し補足させていただきます。冬に生き物を探す場合、どこを探せばいいの?という質問をよくされますが、答えは簡単。種類さえ限定しなければ園内のどこにでもいます。例えば鳥類では冬場は比較的よく動いているので双眼鏡と声を頼りに根気よく探せば20種類ほどは簡単に見つけることができます。

一方、昆虫はほとんどが越冬の時期で多くの種類が活動を休止しており、探すには少しコツがいります。冬に現れるフユシャクの仲間では夜間、樹木の樹皮やトイレの壁などについている姿を見つけることができます(もちろん、昼でも探せますが)。オオムラサキやゴマダラチョウの幼虫はエノキの樹の下周辺で落ち葉を探せば見つかるかもしれません。

擬態で有名なコマダラウスバカゲロウの幼虫は苔むした場所で地衣類に紛れているため見つけにくいですが、見つけた時の感動は大きく個人的には冬の風物詩であると思っています。ほかにも朽ち木や樹皮をめくったりするとゴミムシなどのコウチュウ類やカメムシ類などいろいろな生き物が隠れているのがわかります。哺乳類はあまりいませんが、多くの種が夜に活動していると思います。ムササビは園内に巣箱を設置しているので夕刻になるとその周辺で見られるかもしれません。カエルやヘビなどの両生爬虫類では多くが土の中で越冬しています。見てみたい人は地面を掘り返してみるのも面白いかもしれません。

長野公園新聞 2016冬号

トイレの壁に止まるチャオビフユエダシャク(オス)

長野公園新聞 2016冬号

冬の園内でミミズを掘るトラツグミ

長野公園新聞 2016冬号

コケにそっくりなコマダラウスバカゲロウの幼虫

長野公園新聞 2016冬号

巣箱のムササビ