久宝寺緑地しんぶん Vol55(久宝寺緑地 新聞記事内容ご紹介)
- 2023年12月 4日(月) 17:44 JST
Vol55
この木なんの木?気になる木!
プラタナス
スズカケノキ科 スズカケノキ属に属する植物の総称 落葉広葉樹 樹高は30〜50m
北半球に自生する樹木
北海道から九州まで各地に植栽される
古代ギリシャ時代から並木に使われる
プラタナスの語源は、ギリシャ語の広い(platys)、大きな葉に由来します。和名はスズカケノキ。名前の由来は、この木になる実の形からなります。鈴懸(スズカケ)とは、山伏の装束のことです。大峰山の山伏が胸に装着する「結袈裟」につける球形の房(梵天)に、この木の果実が似るところからきました。
プラタナスは、葉が大きく落葉樹である事から、夏は木陰を作り、冬は陽を遮らない。虫がつきにくいので木の下に毛虫が落ちたりしない。その特徴から街路樹に適する木として、ニレ ボダイジュ マロニエと共に世界四大街路樹の一つに数えられます。日本には明治初期に輸入され、明治40年、東京市の都市計画の中で街路樹として初めて採用されたそうです。
幹は、樹皮が剥がれるとまるで迷彩柄のような見た目になります。カモフラージュユニホームのドイツの迷彩パターンは、最初のドット迷彩パターンだそうです。
音楽、文学にも多く登場するお馴染みのプラタナス。昭和の歌謡曲に「鈴懸の道」があります。『友と語らん、鈴懸の道 通い慣れたる学舎の道』そして、前奏部分としては、ジャズのクラリネット(ベニーグッドマン)のメロディが浮かびます。世界的に有名になった曲ですね。
冬の季節、プラタナスの木の大きな葉は全て散り果てて、枝にまん丸の木の実がクリスマス飾りのようにぶら下がる頃になると、必ず木の名前の問い合わせが入ります。筆者はまず「プラタナス」とお答えして、「和名は、スズカケノキと言います」とお答えするようにしています。すると皆さん揃って「えー!あの鈴懸の道の歌にある木があの木なんですか!」と改めてプラタナスの和名を聞いて、記憶の中にあるまだ見ぬ懐かしい人に、初めて会ったかのように、多くの方が笑顔になられます。そして私はいつも心がほんのりするのです。
スズカケノキは多くの方の心の中に住んでいるのでしょうね。植物と人間の繋がりの深さをしみじみと感じます。スズカケノキには3種類のプラタナスがあり、葉の切れ込みが大きい順にスズカケノキ>モミジバスズカケノキ>アメリカスズカケノキとなります。スズカケノキは葉の切れ込みが大きく葉の半分以上まで切れ込みが入ります。
またスズカケノキは果実が2〜7個単位できますが、アメリカスズカケノキは1個ずつ、モミジバスズカケノキは2〜4個できます。雌雄同株で、新葉が展開する春(4〜5月)になると雌雄それぞれの花を咲かせます。花は果実と同じような形をしています。小花が集まった球体となり黄色い尾花は直径1センチ、淡い緑色の雌花は直径1.5㌢ほどになります。樹高は30mを超え、大木になると樹皮が不規則に剥離してマダラ模様になります。しかしアメリカスズカケノキは縦に剥がれが生じるのみで樹皮は剥離しません。
さて、久宝寺緑地の鈴懸の木は何にあたるのでしょうか?チェックしてみて下さい。
項目1葉っぱの形 2果実の数(お団子のように2段になっている) 3樹皮 観察してみるのも楽しいですよ。
久宝寺緑地のプラタナスのある場所。中地区、球場とテニスコートの裏側の川沿いに5本あります。北地区心字池駐車場側に2本と水辺広場西側川沿いの樹林帯に1本。もくもく元気広場の北側樹林帯に4本あります。
団子のように2個繋がっている。
切れ込みが深くて、大きなプラタナスの葉っぱ黄色と緑色の葉
丸くて薬玉のよう
熟した実は柔らかくほぐれる。種に綿毛がついている。風に乗って遠くまで飛べるように。
樹皮の迷彩柄
布の迷彩柄
久宝寺緑地のプラタナスのある場所。中地区、球場とテニスコートの裏側の川沿いに5本あります。北地区心字池駐車場側に2本と水辺広場西側川沿いの樹林帯に1本。もくもく元気広場の北側樹林帯に4本あります。
日本の公園制度ができて150年③
久宝寺緑地は、昭和46年(1971)のプール開園から、昭和48年(1973)4月には当時の事業認可区域全域(38.2ha)が開設し、テニスコート、シャクヤク園、大型児童遊戯場が順に整備されました。
平成2年(1990)に「国際花と緑の博覧会」が鶴見緑地で開催され、会場で展示された希少種の肥後芍薬をはじめとする約400株のシャクヤクを譲り受けるため、平成4年(1992)にシャクヤク園が整備されました。その後、バリアフリー化に向けた改修工事を経て、久宝寺緑地の顔となる特殊庭園として、毎年4月下旬から5月上旬にかけて、美しく咲き誇るシャクヤクが公園の魅力を高めています。
また、平成7年(1995)の阪神・淡路大震災は、悲惨な被害とともに数多くの教訓を残し、人々を災害から守る重要な都市施設として、公園の価値が見直されました。平成9年(1997)に改訂された大阪府地域防災計画において、久宝寺緑地は広域避難場所と後方支援活動拠点の指定を受け、出入口改修や久宝寺橋の落橋防止、自家発電設備、防火樹林帯の整備が行われました。ところが、社会情勢の変化とともに、平成5年(1993)からホームレスの滞留がめだつようになり、平成15年(2003)頃には最大約150人まで増加し、公園利用や避難時における課題が生じていました。
平成22年(2010)から都市公園久宝寺緑地指定管理共同体が管理者となり、久宝寺緑地の防災機能を高めるため、人道的支援によるホームレスゼロの達成、楽しみながら学ぶ防災訓練「イザ!カエルキャラバン!」の開催、防災等の情報発信拠点(公園インフォメーション)の運営、管理者の事業継続マネジメントシステムの運用、公園利用の活性化(心字池ドビ流し・久宝寺こうえんマルシェ等)など、様々な取り組みを行っています。
久宝寺緑地が開設50周年を迎えた令和3年(2021)、東地区には未整備区域(約9.7ha)がありましたが、令和4年(2022)3月に約2.7ha、翌年6月には約0.7haが開設し、第四駐車場、あいあい広場、ウェルネス広場など、新しい施設が加わりました。
久宝寺緑地は都市計画や社会情勢の変化、利用ニーズに寄り添いながら、これからも進化してまいります。皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。
久宝寺緑地
カブトムシものがたり
今年3月中旬のことです。樹林帯歩道で大きな幼虫が落ちていたと来園者のSさんが持ってきてくれました。以前カマキリの赤ちゃんの餌のアブラムシが足りなくて困っている時に、セイタカアワダチソウの枝に付いたアブラムシを持って来て下さったのもSさん。いきもの関連のことではよくインフォメーションを訪ねてくれます。
間違いなくカブトムシの幼虫です。立派なサイズで、感動しました。Sさんによると、樹林帯の歩道に新たに敷かれたバークチップの中から幼虫の一部分がのぞいていたそうです。その日は3匹見つかりました。敷かれたバークチップから見つかったということは、バックヤードチップの山に産卵されていたのでしょう。
「レッツ久宝探検隊」の方々が昨年の夏に放った数十匹のカブトムシたちが、久宝寺緑地の林の中で飛び交い、自然に繁殖してくれるようになったのですね。交尾を終えたメスが熟成中のバークの山に産卵し、その卵が孵化して幼虫になっていた。幼虫はバークの山で眠ってるところをトラックに載せて運ばれ、樹林帯の歩道に敷かれたので樹林帯の歩道で見つかったのですね。
遡ること約10年前、「レッツ久宝探検隊」の人たちが、子どもたちがカブトムシを自然のままで観察ができる公園にしたいと「カブトムシ飼育」を開始したのです。
スタートは、交野の森のカブトムシを連れてきて、大きな飼育箱で産卵させて幼虫を育てて成虫を公園に放つという繰り返しを約10年間継続してきました。
今年は、報告があっただけでも20数匹のカブトムシが見つかっています。
カブトムシたちが公園に根付いて暮らしていることになります。皆んなの努力が実りました。
「ありがとう、レッツ久宝探検隊のみなさん」
*レッツ久宝探検隊とは。
グリーンセーバーの資格を持ち、植物や生態系の知識を学ばれた方々が、子どもから大人まで自然を楽しく学び、体験してもらえる機会をつくるために久宝寺緑地で活動されているグループです。
春に見つかった2匹の幼虫をインフォメーションで飼育してみました。
カブトムシ(ヤマトカブト)日本では1種しか生存していないそうです。
- 3月30日
- インフォメーションにカブトムシの幼虫がやってきました。
- 4月4日
- マットの交換の為生存確認。
ウンチがたくさんありました。面白い形をしていますね。 - 4月26日
- マット交換、1匹は亡くなっていました。もう1匹は元気です。
たくさんのウンチ確認。 - 5月15日
- マット内に蛹室を作っていましたが、観察ができるように 人工蛹室に引っ越し。
ヤマトカブトは蛹室の中で動けるように縦向き。
外国産のカブトムシは横向き。
蛹室はオアシスで作りました。 - 6月4日
- オアシスの蛹室が見えづらく、小さめの為、R君とH君が 人工蛹室に引っ越し。
- 6月13日
- 蛹から羽化、成虫になりました。
体色が黒くなるまでそっとしておく。体つくりの大切な期間の為。 - 6月14日
- 黒くなっている。カブトムシらしくなった。
飼育ケースに引っ越し。前足、中脚、後ろ脚正常。
しばらくマットの上を動き回って潜っていった。 - 7月22日
- オスカブトムシが来た。
この子は久宝寺緑地で自然繁殖した子です。 - 8月9日
- 繁殖のチャンス、2匹をおおきなケースに引っ越。
昆虫少年のR君とH君が協力。
相性が合わなかったら、もう1匹の赤い子と交代予定。 - 8月19日
- オスの匂いがしなくなった。交尾ができたのかは不明。
- 8月27日
- ペアの交換
- 8月29日
- 赤いオス、交尾確認。(通常交尾は30分程) 交尾事故。見守るしか手立てはない。
- 8月31日
- 離れていた。一安心したが、メスの元気がない。
- 9月1日
- メスは力尽きて動かなくなっていた。
- 9月7日
- 赤いオスは力尽きた。
- 10月3日
- オス、別ケース内で力尽きた。
期待をかけた赤いカブトムシとの交尾はメスがすぐになくなってしまったので、産卵はできていないだろう。初めのペアリングがもしかしたら成功しているかもしれないので、念のため飼育ケースはそのまま保持することとしました。
3/30 幼虫が来た日
カブトムシ大好きだよ!
幼虫の掘り起こし中
5/15 人工蛹室の中
6/4 蛹になっている
6/14 羽化
6/14 ケースに引越
7/22 オスがきた
8/9 繁殖の準備
8/30 元気がないメス
8/31 赤いオス
10/28 生まれた。
10月28日の朝、飼育ケースの中に白いものが見えている。気のせいだろうと自分に言い聞かせていたが午後になり、見えていた白いものは見えなくなっている。動いているということは、もしかして!R君が来たので、確認を手伝ってもらった。
何ということでしょう!次から次から大きく育った幼虫がでてきました。なんと、全部で20匹もいました。感動しすぎで疲れるということもあるのですね。もうすっかり諦めていたカブトムシの赤ちゃん。嬉しいことです。
誌上ワークショップ
自然素材で作る干支 辰
~新年の準備に干支の辰を作ってみませんか?~
- 用意するもの
- グルーガン、マジックペン(黒)
- 材料
- マツボックリ(大→小)3~5コ程度、
クヌギの殻斗(ドングリの帽子部分)、
マテバシイの殻斗(コナラでも可)、
松の葉(2本一緒になっているもの)、
ナンキンハゼの実 2コ、
枝分かれした小枝(ツノ用2本、前足用2本、しっぽささえ用1本)
つくりかた
※グルーガンを使って接着します。やけどに注意!小さいお子様は保護者の方と一緒に行ってください。
- クヌギの殻斗とマツボックリ(大→小)をしっぽが上向きになるようにグルーガンでつなげる。
- 前足用(2本)としっぽささえ用の小枝でバランスをとってグルーガンで付ける。
- 松の葉をクヌギの殻斗の真ん中より少し下にグルーガンでつける
- 松の葉の根元を隠すように、マテバシイの殻斗うぃ」真ん中より少し下にグルーガンでつける。
- クヌギの殻斗に近いマツボックリの隙間にツノ用の小枝を差し込んで、グルーガンでつける。
- ナンキンハゼの実を目の位置にグルーガンでつけて、ペンで目を描きいれて
できあがり!!
※お好みで宝珠をもたせても◎
久宝寺緑地イベントカレンダー
参加費:無料(一部有料)
今年もイルミネーションが花の道を華やかに飾ります。
- 12月2日(土)~25日(月)
- 場所:中地区 花の道
節分祭
〜久宝寺緑地に鬼がやってくる〜
節分の豆まきイベントを開催。
久宝寺緑地に鬼がやってくる!みんなで鬼退治をしよう!
- 日時:2/3(土)午前10時半から11時半
- 場所:北地区 風の広場
- 料金:無料 豆まき
久宝寺緑地絵画・写真展
久宝寺緑地では令和6年2月に公園インフォメーションで
絵画・写真展を開催します。
- 絵画・写真展 日程:令和6年2月10日(土)〜2月18日(日)まで
- 時間:午前9時から午後5時まで(最終日は午後4時半まで)
- 場所:久宝寺緑地 中地区 スポーツハウス(テニスコート横、ピンクの建物)
出展作品募集!
- 絵画・写真作品募集期間:令和6年1月22日(月)〜2月4日(日)迄
- 内容:久宝寺緑地の風景、人物、鳥・花など久宝寺緑地にちなんだ題材の作品を募集します。
初心者からベテランまで、自慢の作品を展示してみたい方なら
どなたでもご参加いただけます。 - 出展料:無料 先着20作品まで(原則1人1作品)
- 応募方法:作品サイズは写真はA4サイズにプリント(フレーム額はこちらで準備しています)、絵画は10号までで額装(展示用ひも付き)して管理事務所までお持ちください。
ハッピーアースデイ大阪(予告)
- 開催日時:3月23日(土)11時〜17時/3月24日(日)10時〜16時
- 場所:修景広場周辺
- ハッピーアースデイ大阪実行委員会
久宝寺緑地みどり塾
専門分野で活躍する講師達による植物や自然についてのワークショップ等
- 場所:ボランティアルーム
- 10時〜11時半
- 事前申込要 みどり塾の申込は、開催日の1か月前から受付ます。
- 12/17(日)ミニ門松
参加料:(材料費含む 定員16名) 1,500円
持ち物:お持ち帰りのビニール袋 - 1/21(日)プリムラのハンギングバスケット
参加料:(材料費含む 定員16名) 2,000円
持ち物:お持ち帰りのビニール袋 - 2/18(日)冬の庭を彩る寄せ植え作り
参加料:(材料費含む 定員16名) 2,000円
持ち物:お持ち帰りのビニール袋
ノルディックウォーク講習会
- 第1日曜日 13:30~15:00
- 12/3,1/7,2/4
- 集合場所:スポーツハウス
- 参加費:1,000円
ノルディックウォーキングをマスタートレーナーに基礎から習ってみよう!
美しく歩くために必要な体感とインナーマッスルに効かせるコツをお教えします。
すっきり姿勢が美しい“キレイな歩き方”を目指しましょう!
久宝寺こうえんマルシェ
地元の農業を応援したい!毎月第4日曜は久宝寺緑地マルシェを開催!
公式サイト「久宝寺こうえんマルシェ」
- 1/28(日)・2/25(日)
午前10時~午後4時/場所:北地区 風の広場付近
- マルシェ 大阪産(もん)近郊農産物、無添加食品および加工品の販売
- アート、クラフト作品の展示及び販売、その他の物販、ワークショップ
- 福祉事業所の授産商品
レッツ久宝探検隊
集合場所:久宝寺緑地 中地区 花の道 料金:無料 午前10時~正午
- 12/17(日)クリスマスリースを作ろう
つる性植物や秋の野山にどんなものがあるかを学び、オリジナルのクリスマスリースを作ります。 - 1/28(日)七草粥を食べよう
春の七草の種類と歴史、その言われ効用や日本人が大切にしてきた季節のしきたりを学びます。 - 2/25(日)冬芽、葉痕って何?よく見ると面白いよ。
春に向けて準備している冬芽や葉痕の可愛い顔を観察し、植物の不思議を楽しみましょう。
ピンコロクラブ
- 日時:第2土曜日:うんどう教室/第4土曜日:うんどう習慣日
10時半〜11時半 - 場所:北地区 健康広場
介護に頼らない、自立した生活を送るためのお手伝いとして、生活にかかわりの深い4種類の運動に、準備運動、整理運動を加えたうんどうプログラムを、トレーナーが教えてくれます。そして習慣日には、習慣化する ために楽しくトレーナーと一緒に質問しながら運動しましょう。