「Calm」Vol.7 Nagano Park Magazine 2024年秋号

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長野公園

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「Calm」Vol.7 Nagano Park Magazine 2024年秋号

  • 2024年10月3日(木) 12:29 JST

「Calm」Vol.7 Nagano Park Magazine 2024年秋号

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contents

2024年7月

 

特集 公園にいこーえん

特集 公園にいこーえん

公園には、環境保全・景観形成・防災・レクリエーションや健康増進活動・子育て支援やコミュニティ形成の場等の多面的な機能があります。公園の持つ多面的機能を活かし、公園に集まった人たちが楽しいと感じ、人と人との交流を深め、時には子育ての悩みを相談したり、集まった人同士のつながりを生み出したりする活動【公園にいこーえん】を主宰していらっしゃる奈良県生駒市の真下(ましも)さんにお話をお聞きしました。

真下さんの活動の場は、奈良県生駒市の萩の台第2公園です。近鉄生駒線萩の台駅東出口すぐの百段程の階段を上ったところにある小さな街の公園です。 お話を伺った日は、9月8日(日)でASOBO(萩の台住宅地の子ども会活動)とのコラボ企画の「水風船投げまくり大会」でした。

公園で思い思いに遊ぶ子供達 公園で思い思いに遊ぶ子供達

小誌:「公園にいこーえんを始められたきっかけは?」
真下さん:「ここは80年代に出来たニュータウンで、何年か離れて戻って来たら、以前のような活気がなくなったなと感じました。 公園に子どもを連れて行っても誰もいなかったりするので、公園に行く日と時間を決めて皆さんにお知らせしたら?と思って始めたのがきっかけです」
小誌:「それはいつ頃ですか」
真下さん:「5年前の2019年です」
小誌:「活動を始めるには、公園周辺にお住まいの方の理解を得ることも必要だったと思いますが・・・」
真下さん:「おっしゃるとおりです。公園にいこーえんの趣旨や概要を書いたものを手に、公園周辺のお家に一軒一軒あいさつしてまわりました」

子供とあそぶ真下さん

公園の清掃や草刈りは自治会の有志が

小誌:「こちらの萩の台第2公園は、清掃や草刈りがよく行き届いていてきれいですね。どなたがやっていらっしゃるのですか」
真下さん:「この萩の台第2公園は自治会の有志の方々が公園をきれいにしてくださっています」

近所の公園で思い思いに遊ぶ

小誌:「子どもたちが近くの公園で思い思いに遊ぶための決め事みたいなものや大切にしていりことはありますか」
真下さん「子どもの遊び方そのものについては、その子自身が今、やりたいことをやることを大切にしていました。 いこーえんはイベントではなくて日常なので、参加者を「お客さん」にしないことも大切にしています。 いこーえんは近くの公園でずーっと思い思いに過ごしている時間です」

公園で思い思いに遊ぶ子供達 公園で思い思いに遊ぶ子供達 公園で思い思いに遊ぶ子供達

継続の原動力は

小誌:「公園にいこーえんの活動は5年続けて来られたということですが、そうすると真下さんご自身のお子さんは、もう未就学児ではないと思うのですが、活動を続けていらっしゃるのは、どうしてでしょう」
真下さん :「私自身がいこーえんを毎回楽しみにしています。それと私は思いつきを形にするのが好きなので、いこーえんでやりたいことをやれるのが楽しいです。それから、子どもたちと思いっきり遊んだり、小さなお子さんの様子を見たりする時間が私自身の楽しみや癒しになっているので、「地域活動」というより「趣味」の領域です。楽しいから・やりたいからやっています」。
小誌:「継続の力って、そんなところにあるのですね」

水浴びする子供達

萩の台住宅地のグリーンスローモビリティ

小誌:「公園にいこーえんのFacebookを拝見すると【グリーンスローモビリティ】のことが書かれていましたが、公園にいこーえんの活動と何か関係があるのでしょうか」
真下さん :「直接関係はないのですが、このまちも開発から約40年が経って高齢化が進みました。高台で坂道が多いこの地区では、移動手段としてグリーンスローモビリティの実証運行をこれから実施します」
小誌:「長野公園がある河内長野市でも、同様の街の課題があって、萩の台住宅地とほぼ同じ時期に開発された南花台というところで令和元年12月からグリーンスローモビリティの実証事業を行っています」
小誌:「本日は、色々お聞かせいただきありがとうございます」

ダンボールのロボットと遊ぶ子供達 遊ぶ子供
インタビュー後記

少子・高齢化が非可逆的に進むなかで、公園の利用者は減少しています。そのような時代の中で「新しい公園のあり方」として、子どもたちの多様な遊び場としての公園や、更には子どもたちのコミュニティ形成の場としての公園の利用を優れたアイディアと地域を巻き込んでゆく行動力でカタチにされている真下さんに貴重なお話しをうかがえた事に感謝します。

長野公園のシンボル「回廊風展望休憩所」が建替え

回廊風展望休憩所の夜景

回廊風 展望休憩所のルーツ 明治の長 野遊園地時代

南海高野線のはじまりは、今から120年以上前の1898年(明治31)に大小路駅(現堺東駅)から狭山駅間を皮切りに高野鉄道によって建設が進められました。そして、2年後の1900年(明治33)に河内長野駅まで開通しています。1907年(明治40)に高野登山鉄道が設立されて、河内長野駅以南は高野登山鉄道により建設が進められました。

河内長野から橋本駅まで延びたのが1915年(大正4)で、椎出駅(現高野下駅)まで延びたのは1925年(大正14)でした。高野山駅まで全通したのは1930年(昭和5)で、河内長野から高野山駅までの延伸に30年以上の歳月を要しました。

高野山に伸びる迄の間ターミナルだった河内長野に、大阪市や堺市その他の地域からの旅客誘致を図るため、1908年(明治41)に長野町の有志とともに「長野遊園地(現長野公園)」を開設しました。

1908年(明治41)に開設された当時の「長野遊園」

上のイラストは、1908年(明治41)に開設された当時の「長野遊園」です。「長野停車場」周辺に「南菊亭」。石手川(現石川)左岸に新西條橋を挟んで「錦水」と「楠館」。坂を登ると「松月亭」「楠亭」回廊風展望休憩所付近には「菊水館支店」等の温泉旅館がありますが、このイラストには回廊風展望休憩所は見当たりません。

回廊風展望休憩所の移り変わりその1

1920年代から1930年代にかけて玉手山遊園地、甲子園球場、近鉄奈良線生駒トンネル、浜寺公園海水浴場、長野遊園

上の絵はがきは、1920年代から1930年代にかけて、大阪市が大大阪と呼ばれていた時代のものと思われます。(右上にGreat Osakaの記載有) この当時の大阪市は、人口・面積・工業出荷額で当時の東京市を凌ぐ大都市に躍進しました。絵はがきは大阪近郊の当時の名所を紹介しています。

①玉手山遊園地
1908年(明治41年)8月に、現在の近鉄道明寺線・南大阪線の一部・長野線を運営していた河南鉄道によって開園

②甲子園球場
1924年8月1日、大阪朝日新聞(現・朝日新聞社)主催の全国中等学校優勝野球大会(現・全国高等学校野球選手権大会)の開催を主目的として開場。

③近鉄奈良線生駒トンネル
奈良線の旧生駒トンネルは1914年(大正3年)に、近畿日本鉄道(近鉄)の前身である大阪電気軌道(大軌)により開通した。

④浜寺公園海水浴場 1906年(明治39年)開設。

⑤長野遊園
画像が不鮮明でわかりにくいですが、開園当初のイラストにはなかった「楼閣」のような建物が確認出来ます。おそらくこれが長野遊園(現長野公園)の初代回廊風休憩所と思われます。この楼閣がいつ建てられたのかは定かではありません。

回廊風展望休憩所の移り変わりその2

明治末期から大正時代の長野遊園(現長野公園)

上の絵はがきは明治末期から大正時代に出されたものと思われます。画像の下部には「長野遊園ヨリ錦水楼本店及烏帽子形城址跡ヲ望ム」と書かれています。

錦水楼本店の右手前が当時の長野遊園(現長野公園)です。画像の上部に当時の河内長野の街並が見えますが、まだまだ田園が広がる風景です。その向こう側には烏帽子形城址が見えます。その右側は今は南海高野線が走っていますが、この絵はがきからは線路などは確認出来ません。

南海高野線は、1900年(明治33)に河内長野駅まで開通し、河内長野駅以南は高野登山鉄道により建設が進められました。河内長野から橋本駅まで延びたのが1915年(大正4)なので、この絵はがきはおそらく明治末期から大正時代に制作されたものと思われます。

長野遊園から長野公園へ

長野遊園にあった飛行塔

長野公園は大阪府南東部、金剛山山麓の南河内に位置し、1951年(昭和26)に旧長野遊園地跡の長野地区、河合寺地区、観心寺/丸山地区、天野山地区の4地区が長野公園としてして開設されました。

昭和32年10月に延命寺地区を編入して5地区となり全面積は46haです。5地区はいずれも南朝ゆかりの遺跡の多い所です。

天野山金剛寺・観心寺・延命寺の紅葉や河合寺のアジサイ、長野公園の夜桜や金剛寺の秋月は “新河内長野八景”に選ばれています。

長野公園が開設された昭和26年頃は、戦後の疲弊から脱し始めた時期で、いち早く大阪府民のレクリエーション地を確保する必要があり、用地を買収してまで公園を新設する状況ではなかったため用地を借地して開設しています。

現在の長野公園3つのイメージ

回廊風展望休憩所の移り変わりその3

1961年(昭和36)頃の長野公園回廊風展望休憩所

1961年(昭和36)頃の長野公園回廊風展望休憩所です。資料がないので、いつこれに建替えられたのかは不明ですが、地域の方によれば今からおよそ60年くらい前に現在の姿になったそうです。当時は奥の欄干も床も木製だったそうです。

2023年(令和5)の長野公園回廊風展望休憩所

2023年(令和5)の姿です。屋根が再塗装されて美しく蘇りました。

2025年春 回廊風展望休憩所が生まれかわります!

長野遊園地時代から100年近くの長きにわたり、府民の皆さまに親しまれ、長野公園のシンボルでもあった【回廊風展望休憩所】が2025年春生まれ変わります。

横に広がる回廊風イメージを継承したリニューアルです。
緩やかに波打つ屋根の形と木の柱。ナチュラルなイメージの休憩所になります。

緩やかに波打つ屋根の形と木の柱。ナチュラルなイメージの休憩所 緩やかに波打つ屋根の形と木の柱。ナチュラルなイメージの休憩所

思い出の回廊風展望休憩所:写真とエピソードアワード参加作品募集

60年以上、府民の皆さまに親しまれて来た長野公園回廊風休憩所が今秋、建替えに伴い解体されます。そこで皆さまの「回廊風展望休憩所の思い出」をお持ちの写真やエピソードを募集します。皆さまの思い出の一枚やエピソードを応募してみてみませんか?

  • 募集期間:令和6年10月1日(火曜)~令和7年2月20日(木曜)
  • 結果発表:令和7年4月20日(日曜)
  • 表彰式:令和7年4月29日(祝日) 於:長野公園管理事務所
  • 各賞(各賞は長野公園管理事務所で選定致します)
    • 長野公園賞
      写真部門、エピソード部門から各1点
      副賞:商品券1万円
    • 特別賞
      各部門から5作品(合計10作品)
      副賞:商品券3千円

思い出の回廊風展望休憩所:写真とエピソードアワード参加作品募集の詳細

10月〜12月のイベント情報

長野公園のイベントのお申し込みはお電話でどうぞ
TEL:0721-62-2772  9時~17時

  • はじめての苔テラリウム
    ビンの中の小さな世界。作っても見ても楽しい、苔テラリウムをはじめてみませんか。作るときもその後も、長く楽しめるミニ植物の世界です。

    日時:10月20日(日曜)10時〜2時間程度
    参加費:おひとり1,500円(材料費を含む)
    定員:先着10人
    会場:イズミヤゆいテラス 小多目的スペース 主催:長野公園管理事務所

    苔テラリウムイメージ

  • 非日常の木登り
    ツリーイングは大人からこどもまで楽しめるアクティビティ!非日常の木登りを体験してみませんか。

    日時:11月19日(土曜)
    参加費:小学生おひとり1,500円(保険料を含む)
    小学生以下おひとり1,000円(保険料を含む) 定員:先着各回8人迄(アクティビティは4回実施)
    実施時間:10時~、11時15分~、13時~、14時15分~の4回
    会場:長野公園 天野キャンプの森
    主催:長野公園管理事務所

    木登りイメージ

  • クリスマスイルミネーション
    長野公園のクリスマスイルミネーションは、冬の暗闇を照らす光が、長野公園の園路を幻想的な夜に演出します。スケールは小さいですが、ちょっとした映えスポットです。

    期間:12月15〜25日
    点灯時間:期間中の17時~22時迄
    来園無料
    会場:長野公園 奥河内さくら公園園路
    主催:長野公園管理事務所

    クリスマスイルミネーションイメージ

絵になる風景

天野キャンプの森のデッキシェルター
天野キャンプの森のデッキシェルター
キャンプ場の緑と木製のデッキシェルターが安心感を表しているようです。キャンプ中の通り雨程度ならここで雨宿りが出来ます。

 

とても開放的な眺望も良い空間が、周りの緑に溶け込んでとても美しく絵になる風景です。
方形の屋根が、雨や太陽の光を遮ってくれるのかしら?
デッキシェルターって呼ぶより
四阿(あずまや)とかガゼボって
言ってみたい。
水彩画と文 サト

ゆめ物語「しばしの休息」

公園でぐうぜん出会えた葉っぱ。
初めましてと握手をかわした葉っぱ。
太陽の光に輝く葉っぱ。
雨の雫をうける葉っぱ。
小さくて愛らしい葉っぱ。
大きくて遅しい葉っぱ。
おしゃべりが上手な葉っぱ。
ひとみしりで恥ずかしそうな葉っぱ。
わたしを待ってくれていた葉っぱ。
わたしが探し求めていた葉っぱ。
これからも葉っぱに出会いたい。
そして吐息を聞きつづけたい。
まゆみ

calmで使用された画像
Photo/Masashi Hamada

Design/Masashi Hamada
Writer/Masashi Hamada, Mayumi Akai, Satoshi Hosokawa
Photo/Masashi Hamada, Saori Morii
Publisher/City Park Nagano Park Management Community

長野公園は自然豊かで穏やかで落着いた雰囲気の公園です。
この特徴を言い表すことばとしてCalmをタイトルにしました。

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