住吉公園さくらサポーター「第1回さくら勉強会」レポート(2016.02.11)


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住吉公園さくらサポーター「第1回さくら勉強会」レポート(2016.02.11)

  • 2016年2月19日(金) 15:09 JST

住吉公園さくらサポーター「第1回さくら勉強会」レポート

プログラム

第1部 桜の文化と生態

講師:一般社団法人フラワーソサイエティー 会長 長村智司 氏

(一般社団法人フラワーソサイエティー 横井邦彦 氏(原稿)に準拠)

 

第2部 住吉公園サクラの現状と更新計画

講師:都市公園住吉公園指定管理共同体 田邉良忠

 

当日は、26名の皆さまにご参加いただきました。

第1部では、当初予定しておりました横井邦彦先生のご都合が悪くなり、急きょ、一般社団法人フラワーソサイエティー会長の長村智司氏にサクラの文化と生態についてご講演いただきました。

また、第2部では、都市公園住吉公園指定管理共同体 田邉良忠より、住吉公園サクラの現状と更新計画について説明させていただいたあと、現地にて実際のサクラを観察いただきながら現状を確認しました。

 

第1回さくらサポーター活動記録
第1回さくらサポーター活動記録
第1回さくらサポーター活動記録

 

第1部

桜の文化と生態 (PDFデータ:5.13MB
をご参照ください。 

 

第2部

住吉公園 桜広場の様子

住吉公園は明治6年に開設された大阪でもっとも古い公園のひとつで、とくに住吉公園のサクラはとても美しい景観をつくってくれていますが、どれも老朽化が進み、サクラの更新を余儀なくされている現状があります。

 

樹木の現状

住吉公園さくらサポーター「第1回さくら勉強会」レポート

●傾斜しているだけの木なら支柱の支えを施工することで生育ができますが、不朽による空洞が加算されると、根元の部分から倒れる危険性もあり、伐採する必要があります。

●枯れ枝から不朽菌が進入し徐々に腐れが入り、やがて空洞になります。

●きのこが発生することで腐朽が進んでいることが理解できます。

●こぶ病の蔓延による樹木の衰退がみられます。

●バーベキュー等による長年の利用者による踏圧のため、根の通水性や通気性が著しく悪化していることが考えられます。

●サクラが弱っているため、枝垂れたサクラに上ったりする心無い利用者による枝折も見受けられます。

住吉公園さくらサポーター「第1回さくら勉強会」レポート

 

サクラの寿命について

●ソメイヨシノは一般的に60年が寿命であるといわれていますが、剪定や土壌の改良によって寿命を伸ばすことが可能です。

●植える間隔が狭いと30年ほどで枝が重なり合い、樹勢が弱ってきます。ソメイヨシノは1本の木から接ぎ木で増えているため、すべてがクローンです。よって、隣接する木から枝が伸びても自分の枝と勘違いしてしまい、枝が伸び続けてしまうために樹勢が衰えるのです。

●「桜伐る馬鹿、梅伐らぬ馬鹿」という言葉がありますが、サクラも適度の剪定は必要です。小枝のときに適度の剪定をすることで寿命が伸びます。

●また、利用者による踏み固めは、土壌改良やエアースコップによる通気性・通水性の改善を行うことでも寿命が伸びますが、かなりの費用も要します。

●植え替えのときに、植栽間隔を広げ密度を下げると、最初は寂しく感じますが、将来的には大きな木に生長します。

●ソメイヨシノは30年もすると良好な場所であれば、高さ20m、枝張り25mにも及ぶ樹形になりえます。住吉公園にもそういった名物桜を作るのも面白いと思われます。なお、日本3大桜には、ソメイヨシノとは種類が異なりますが、山梨の神代桜(約1800年)・三春の滝桜(約1000年)・岐阜の淡墨桜(約1500年)があります。

 

住吉公園 サクラの種類

●現在の住吉公園には、5種類のサクラが植えられていますが、今後の植栽計画で皆さんのご意見も伺ったうえでサクラの品種を増やすことも可能です。

 

今後の方向性

●危険木の伐採は平成28年2月17日より施工する予定にしております。樹木調査の結果、桜広場に93本あるうちの30本が危険木として指摘されています。倒木や枝折れ等により利用者に危険を及ぼす木については、サクラの開花前に伐採を行い危険を取り除きます。

●サクラはいや地現象を起こすので、土の置き換えを行います。いや地とは連作障害で、植物が微量要素の過剰症や欠乏症を発生したり、土壌病害の発生や、いや地物質の蓄積の結果起こります。これを取り除くために土の置き換えを行います。掘削土については、公園内に盛土します。

●伐採材の活用として、小枝を箸置きに細工したり、中枝をコースターに細工、桜チップの有料配布(燻製のレシピ付)、桜チップを敷き香りの小路をつくる等が考えられますが、アイデアを募集したいと思います。

 

さいごに

●桜広場のゾーニングについてはソメイヨシノゾーン・園芸品種ゾーン・記念樹ゾーン等を考えていきたいので、これからのクラブで一緒に考えていきましょう。

●次回は平成28年3月3日にさくらクラブを開催予定にしております。サクラ伐採後の抜根状況や客土の入れ替え状況の確認と、クラフト作りを経験していただく予定です。詳細は後日、フェイスブックやHPの掲載と事務所にチラシを配備します。また、平成28年4月7日にはサクラの鑑賞会を行いたいと思っています。

 

ご参加いただいた皆さまからのご質問

また、ご参加いただいた皆さまからのご意見と、こちらからお答えさせていただいた内容について記載させていただきます。

【質問1】

伐採した木を挿し木にし、サクラの更新に当てられないでしょうか?

→ 挿し木は難しく、接ぎ木であれば可能性はありますが、皆さんでやっていただくには成功率は低いと思います。

 

【質問2】

公園100選の対象に入るぐらい、目標を持って進めてほしい

→ 伐採してしまうと淋しくなるので、危険木30本伐採後に10本の新木を入れる予定にしております。また、ゾーニングしてサクラの植栽計画を立てたいと考えています。

 

【質問3】

伐採をせず、傷口にモルタル等の対策をとり、生かすことができないでしょうか?

→ 芯が残っていない木は、大きな風が吹くと非常に危険な状態にあります。芯がある木については、支柱等で残す予定にしています。

 

【質問4】

花見をよくされる場所の真ん中を開けてほしい

→ 新木の植栽後は、柵をして人が入れないように対応せざるを得ないと考えています。

 

【意見5】

南港にあるヒマラヤザクラが美しい

 

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