住吉公園さくらサポーター「第2回さくら勉強会」レポート(2016.03.03)
- 2016年3月15日(火) 23:36 JST
プログラム
第1部 伐採後のサクラを見学
講師:都市公園住吉公園指定管理共同体 田邉良忠
第2部 伐採したサクラでグリーンウッドワーク体験
講師:NPO法人木育フォーラム 理事長 米地徳行 氏
第1部
1.伐採を終えて
伐採を終えて、幹の切り株の状態を観察すると、材の中心部が腐食により空洞化が進んでいる状態が確認できました。伐採木29本の内すべてに空洞化が見られ、木によっては外側の5㎝程度のみが残って上部を支えているものも見受けられました。また、中心部は残っているがコルク化が進み、上部を支える力は残っていないものも見受けられました。
2.抜根作業について
本日より抜根作業を行っておりますが、ご覧いただくと分かるように、サクラの根が極めて浅く土壌に根を張っている状態であることが確認できます。掘削した結果、ほぼ土壌の地際から30㎝程度のところで、根茎が横に伸び、サクラ本体を支えている状況となっていました。
ただし、今回の抜根作業で桜広場の土壌は表面20㎝程が固結しているだけで、その下の土壌は砂壌土で、表面をほぐす事が出来れば通気性・通水性が良好な土壌であることが確認できました。よって、表面の土壌をほぐすことで雨水の浸透が見込まれ、桜の良好な生長が期待できます。
3.次回
次回、4月7日(木)にはサクラの鑑賞会を行いたいと思っています。
ご参加よろしくお願いします。
第2部
グリーンウッドワーク
木は乾燥の過程で反ったり割れたりします。また、乾燥することによって強度が増します。そのため、一般的に木は乾燥させてから使います。天日に干して乾燥させる天乾(天然乾燥)や、大きな釜で熱して乾燥させる人乾(人工乾燥)などの方法があります。 グリーンウッドワークのグリーンウッド(GREEN WOOD)とは生木(なまき)のことです。生木というのは、森から伐採したばかりの 乾燥していない木のことです。
その生木を伝統的な手工具を使い(大型機械や電動工具は使いません)割ったり 削ったりしながら小物や家具をつくる ものづくりを「グリーンウッドワーク」 といいます。
グリーンウッドワークは産業革命以前にヨーロッパで行われていた木工です。大量生産の時代にそぐわないため、すたれていった手法ですが、近年趣味の木工として復活しました。
どんな木でも材料にできる、電気や燃料を使わず人力だけで行うため地球に負担がかからない、場所を選ばずどこでもできる、子どもから高齢者まで楽しめる、などなどの特徴があります。
桜の木
僕は平林の木材団地で材木屋をやっています。祖父の代から続く材木屋です。材木屋と一言にいいましても、それぞれ専門がありまして、うちの会社は北海道材が専門です。北海道材というのは樹種でいうとタモやナラ、サクラなどをいいます。
サクラを扱ってはいるのですが、公園にあるソメイヨシノとは違います。材として流通しているサクラは、マカバやアサダという種類で、白樺などの仲間の木です。ソメイヨシノは太い木にならないので、材としてはほとんど流通していません。
サクラの特徴としては、花と同じように赤っぽい色をしていてとても綺麗な板で、高級感があります。値段も高いです。とても硬い材で、階段や床など硬さが必要な場所につかわれます。
ただ、保管しているとすごく反ったり割れたりして、とても扱いにくい材です。扱いにくいから高価なのかもしれません。
サクラの木でグリーンウッドワーク体験ワークショップ
今回のワークショップ、お天気にも恵まれ、とても気持のいい体験となりました。みなさん、ありがとうございました。
今回住吉公園のソメイヨシノでやらせていただきましたが、木がとても割りやすく、そして加工しやすい材だなぁと思いました。削り馬を使って削っても、足踏みロクロで旋盤加工しても、とても扱いやすい材でした。 参加者の皆さんはとても熱心に取り組んでくださって、こちらもとても楽しかったです。用意していたものとは違う発想なども出てきて、面白かったと思います。
本当は椅子を作ったり、スプーンを作ったり、じっくり時間を忘れて取り組んでもらうのがグリーンウッドワークの楽しいところなんですが、時間の関係上少しだけ体験してもらうことにとどまったのが残念でした。
今後、みなさんが興味をもっていただけるのであれば、続けていかせていただいて、椅子やスプーンなど作品作りができればもっと楽しくなるだろうと思いました。
特に公園という性質上、生木が定期的に出てくると思いますので、サクラだけなくいろんな木でいろんな作品ができるように思います。住吉公園に生えていた木で日常使えるものが手作りできると、より住吉公園が身近に感じられるように思います。